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第52話 カミラ嬢

Author: 甘梨鈴
last update Last Updated: 2025-07-24 17:00:27

「誤解です、殿下。デイモンド伯爵は、オスティン帝国の貴賓です。私は案内役として付き添っているだけでございます」

「貴様、オレに口答えする気か!」

「そうではございません。本日は別の公務があるからと、お客様の案内を私に任せて下さったのは、他ならぬ殿下ではありませんか」

「俺が命じたのは、皇太子殿下の案内だけだ!」

 レオナールは、平気で言ってもいないことを口にする。

 よほどこの状況が腹立たしいのか、醜く顔を歪めて、激昂した。

「貴様はオレの目を盗んで男を漁り、庭園に引き込んだのだろうがッ!」

「なッ!?」

 レオナールの台詞に、エマは青ざめた。

 エマを侮辱するその言葉は、同時に、ルシアンをも侮辱している。

 だが、レオナールはエマを攻撃するためだけに、デタラメを並べて糾弾した。

「男と見れば見境なく媚を売る、節操を知らぬ下賤め!」

「で、殿下……っ」
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